ガイドライン改訂のポイントとその背景

ガイドライン班長からのメッセージ

弁膜症診療においては、この数年の間に目覚ましい進歩が見られました。弁膜症に対するTAVIや経皮的僧帽弁クリップ術、Valve in valveなどのカテーテル治療の導入、低侵襲外科手術や、大動脈弁閉鎖不全症に対する自己弁温存手術、人工弁の改良などが挙げられます。

  1. 日本における弁膜症診療の現状を加味した内容にすること
  2. 体格の違いや平均寿命の違いなど、欧米人と日本人の違いを反映させた基準を作成すること
  3. 超高齢化社会である日本から、高齢者で見られる特徴や疾患概念の記載を盛り込むこと

最近の弁膜症診療における進歩を取り入れ、日本人に合致するように作成したこのガイドラインが、実際の診療において広く使っていただけることを期待しています。

国立循環器病研究センター 心臓血管内科 部長 泉 知里 先生