林田 健太郎(はやしだ けんたろう)先生

慶應義塾大学医学部 循環器内科 心臓カテーテル室主任

2013年10月より日本でもTAVIが保険適用となり、外科的治療を受けられない患者さんにも根治治療が可能となりました。林田先生は日本でのTAVI導入に先駆け、フランスで3年間専門のトレーニングを受け、日本人として初めてTAVI指導医資格を取得されました。日本でも多くの症例を経験されると共に、指導医としてTAVIの安全導入に貢献されています。

「TAVIは重症大動脈弁狭窄症に対するより低侵襲な治療オプションとして、2002年にフランスで第一例が施行されて以降、現在まで全世界中で40万人以上の患者さんが治療を受けている治療です。

開始当初は非常に危険性が高い手技でしたが、近年では周術期死亡率が低下しています。複数の無作為化比較試験の結果、短期から中期において、TAVIは開胸手術に比べ同等、もしくはより良好な成績を示すに至っています。本邦の初期成績でも30日死亡率2%未満と成績が安定し、大動脈弁狭窄症に対する確立された低侵襲治療として広く認識されるようになってきました。2020年に改訂された本邦の弁膜症治療ガイドラインにおいても、全ての大動脈弁狭窄症患者さんに対し開胸手術のみならずTAVIに対しても説明することが推奨されています。本ウェブサイトでは、この低侵襲治療についての基本情報、適切な患者選択、ならびに最新の臨床成績を学んでいただくことを通じ、大動脈弁狭窄症の患者さんに対して最適な治療法を選択する上での先生方の一助となることを目指しています」